「格好よく見せよう」とする文章は全部バレています

誰も他人の「自慢」には興味がない

「格好いい文章を書きたい」と「格好よく見られる文章を書きたい」

似ているようで、まったく違います。

前者は憧れ。

遠いものに必死で手を伸ばす挑戦です。

後者は見栄。

自分を本来よりもよく見せたいという思いです。

後者(見栄)は読めばわかります。

僕が編集者だからではありません。読めば誰でもわかります。

ほとんどの人が読めない難しい漢字をわざと使ってみたり、奇をてらった比喩を重ねてみたり。

文章表現だけではありません。内容も同様。

自伝や私小説で長所だけを書き連ね、自分をより大きく見せようとする。これも見栄です。

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わざわざ自分を下げる必要はありません。

でも、人間の魅力は長所と短所があってこそです。

長所しか書かれていない人物に、読者は魅力を感じません。

それどころか、「この人はプライドが高いから、自分を大きく見せたいんだな」と、簡単に悟られてしまいます。

書名は出せませんが、独立系書店で買ったあるエッセイ本がまさにそうでした。

タイトルと最初の何ページかを読んで、良さそうだなと思って買いました。

ところが読み進めると、「私は能力もあって、友人たちは皆オシャレで裕福で、元カレとも素敵な関係で……」という内容が続く。

正直、なんだかなあと思いました。

誰だって、他人の自慢話や見栄には関心がありません。

少なくとも、私は興味がないです。

友達や家族の話なら、付き合いはします。

でも、見ず知らずの人の自慢ほど、聞いていてむだなものはありません。

誰かの目ではなく、自分自身に正直に書いてほしい

「私っていいでしょ感」が前面に出ている作品に、読者は敏感です。

一瞬で気づきます。

これは個々人の感じ方ではありますが、20年以上この仕事をしてきた実感として言い切れることの一つです。

実社会では、自慢話をしても笑顔で聞いてくれる人はいるでしょう。

相手が優しかったり、軋轢を嫌ったりして、あえて指摘しないだけです。

でも、レビューではそうはいきません。

Amazonのレビューで「自慢が鼻につく」と指摘されている本は、実際に散見されます。

ここまで読んで、耳が痛いと感じた方もいるかもしれません。

でもね、そうは言っても、あなたが何を書くかは自由です。

自費出版では何を書いてもいい。

Kindle出版もそうです。

商業出版でない限り、あなたには自由に創作する権利があります。

他人によく見られたいという理由で本を出すのも、もちろん自由です。

出版にはブランディングという側面もありますから。

ただ、今はストーリーが重視される時代です。

自分の弱みもちゃんと見せて、ダメなところも隠さず、そこからの変化を描いていく。

読者が共感するのは、完璧な人間ではなく、不完全さを引き受けている人間のリアルな生きざま。

それが人の心を打つ時代です。

自分を盛ったり、他人の目を気にしたりする創作活動で、あなたの心は満たされるでしょうか?

大金を稼げるプロの書き手なら、編集部の意向に沿った話を書くこともあるでしょう。

でも、自費出版やKindle出版は別です。

何を書いてもいい。

どんなものを書くかはあなた次第。

僕のこの記事だって、ただの一意見でしかありません。

かくいう僕自身も、SNSで気取った文章を書いてしまったことが何度もあります。

普段は全然してないことをいつもしていることのように書いて、リア充を気取ってしまった。

センスがあると思われたくて、それっぽい文章を書いてしまった。

そんな投稿をすると、自分がイヤになるんですよね。

内容も文章も等身大で投稿している知り合いを見た日には、自己嫌悪に陥りました。

そんな僕だから偉そうなことは言えませんが、あなたには本当に書きたいことを書いてほしいと思うのです。

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