自費出版の詐欺・カモ対策【トラブル回避法】③ 納期遅延・品質問題の管理術

自費出版の詐欺・カモ対策
【トラブル回避法】
③ 納期遅延・品質問題の管理術

自費出版の制作段階で起きやすいトラブルとは?

自費出版でネット検索すると「詐欺」「トラブル」といった、怖い単語が表示されることがあります。

結論から言えば、現在の自費出版の会社で明らかに詐欺をしている会社はまず存在しません。

とはいえ、かつては有名な自費出版の会社がおだてて契約を取ったり、誇張した表現で著者をその気にさせたり、あまつさえ倒産して本を出せなかったりといったケースがありました。

そういうことから、下記のような不安を抱く人もいると思います。

「自費出版って詐欺が多そうで不安」
「カモられないか不安です」

「トラブルにあわないかしら…」

このような方々のために、自費出版で想定されるトラブルを4つの段階に分けて解説するのが、本項の内容です。

今回は3段階目の「本の制作段階」で起こるかもしれないトラブルを回避する方法についてまとめました。

出版社と契約を結び、実務に入ってからのタイミングで予期せぬトラブルやもめ事があると、制作をストップしたり、やり直したりといったことが起きかねません。お金も時間も手間もかかってしまいますので、注意が必要です。

万が一にも詐欺やトラブル、カモにされるといったことがないよう、あるかもしれないトラブルとそれを避ける方法を知っておくのはとても大切なことです。

この記事は、自費出版のトラブル回避法をプロセス順に解説する4部構成の「第3部」です。
まだ読んでいない方は「① 悪質業者の見分け方」からお読みください。

それでは「本の制作段階」で想定されるトラブルや詐欺まがいの行為と、その具体的な回避法を解説していきます。

この記事の監修・執筆

自費出版のトラブル対処法 制作段階編

注意度 危険

途中で追加料金を請求された

本を作ってる途中で追加料金を請求された。これって詐欺?

契約の範囲外なら不当請求

契約後に「校正・校閲費用は別」「デザイン修正は追加料金」「宣伝オプションが必要」など、思わぬ名目で追加費用を請求されてしまうというトラブルです。

契約の範囲内の作業に対して追加料金を請求されたなら、それは出版社側の不当な行為です。納得できなければ抗議し、解決しない場合は法律の専門家や公的機関に相談しましょう。

一方で、著者側が修正回数を規定よりも多く求めたり、原稿提出を大幅に遅らせたり、急な仕様変更を依頼したりといった場合には、出版社に余分な手間やコストが発生します。このようなケースでの追加請求は正当なものです。
重要なのは、「どこからが追加費用になるのか」を契約前に明確にしておくこと。あいまいなまま進めると、トラブルの火種となります。

注意度 危険

支払い直後から対応が悪化

契約時に前金で全額払ったら、途端に対応が悪くなった

支払いは複数回に分けましょう

制作費をすべて前払いした途端、対応がずさんになったり連絡が取れなくなる。そんなことがあると、著者は大きな不安を感じます。

進捗が見えないまま時間とお金だけが失われてしまう。そんな万が一のトラブルを防ぐには、支払いを段階的に分ける仕組みが効果的です。

例えば、このサイトの管理元でもある自費出版の会社「星見書房」では、契約時に50%を支払い、印刷前に残りの50%を支払う形を取っています。著者は全額を先に預けてしまうリスクを減らせますし、出版社側も安心して作業に取りかかれるからです。

その出版社が全額前金ということなら、契約を結ぶ前に支払いを複数回に分けられないか交渉してみましょう。

せっかくの出版です。不安のない状況でめいっぱい楽しんでください。

注意度 危険

名作をパクっただけで怒られた

好きな作家の表現やアイディアをそのまま使っただけなのに、編集者に怒られた

盗作は絶対だめ。絶版や回収の可能性も

好きな作家の表現をそのまま自分の作品に丸写ししたり、お気に入りの小説のアイディアも登場人物の名前だけ変えてそのまま使ったBさん。

すると原稿を読んだ編集者から、該当部分の書き直しを要求されて、渋々差し替えることになりました。

Bさんは「そのくらいいいでしょ!」と怒り心頭ですが、編集者が気づいて書き直しを指示してくれたのは、Bさんにとって非常に幸運なことです。

もし他者の内容からアイディアや設定を盗用した本が出版されて著作権侵害が明るみになれば、Bさんは責任を問われても文句は言えません。

他者の著作物から表現やアイデアを丸ごと持ってくるのは、出版の世界で絶対に許されない行為です。
発覚すれば絶版・回収といった厳しい措置が取られることもあり、その費用を著者本人が負担する可能性もあります。

盗作は絶対にやめましょう。

注意度 危険

アイドルの写真は使うなといわれた

好きなアイドルを自分のスマホで撮影した写真なのに、使用できないと却下された

自分で撮影した写真でも有名人の写真は使用不可

自分のカメラやスマホで撮影したとしても、他者の肖像権を侵害する写真をあなたの本で勝手に使うことはできません。これは有名人に限った話ではなく、一般の人たちでも同様。

最悪、当事者から訴えられる可能性もあり、絶版や回収、賠償金を支払うことになってもおかしくないのです。

ただし、当人に許可を取っていればその限りではありません。

それでも、許可を取った取らないといった水掛け論にならないように、きちんと書面に残しておきましょう。

注意度 警告

予定日になっても出版されない

私は予定どおり進めたのに、担当編集者の怠慢のせいで刊行予定日になっても出版されない!

たびたび遅れるなら相手の上長に相談

出版社から「〇月〇日に出版されます」と言われていたのに、その日になっても本が完成しない。

自分の誕生日や大切な記念日に合わせて本を出したかった人にとっては、重大なトラブルになる可能性も。これを防ぐには、2つの方法があります。

1つめは、完成した本の納期を、口約束ではなく契約書にきちんと明記してもらうこと。

指定の日時よりも遅くなれば契約不履行となり、出版社の責任を明らかにすることができます。遅延が発生した場合の対応も取り決めておくことが重要です。

2つめは、出版社の作業の進捗をチェックすること。

編集者やデザイナーの仕事が予定よりも遅れていたり、そもそも連絡がつかないような状態が続くようなら、同じ会社の別の担当者に伝えること。

それでも改善しない、会社自体が電話やメールに応じないといった場合には、発信記録を残しておき、公的機関への相談も視野に入れるべきです。

返事をきちんと返してくれる誠実な出版社を選ぶことが、何よりの予防策です。

注意度 注意

表紙がイメージとまるで違う

出来上がった表紙を見たら、自分が想像しているものとかけ離れていた

あらかじめ見本を用意して、出版社と共有

表紙は本の顔です。自分の抱いていたイメージや作品の内容とかけ離れたデザインが上がってきたら、落胆してしまうのも無理はありません。

こうしたトラブルを避けるには、事前に編集者やデザイナーと表紙のイメージを共有しておくことが大切。参考になる見本や資料があれば、必ず提示しておきましょう。

ただし、見本にそっくりに仕上げることはできません。著作権などの権利を侵害する恐れがあるためです。

多くの出版社では表紙デザインの修正回数を「2回まで」といった形であらかじめ定めています。その範囲で著者が納得できる表紙に近づけるには、デザイナーが仕事にとりかかる前に、あなたの希望や方向性をなるべく具体的に伝えておくことが重要です。

注意度 注意

紙が気に入らない

自分の書いた原稿と紙の手ざわりが合わなくて、満足度の低い本になった

事前に紙のイメージを伝えること

本で使う紙には、様々な種類があります。手ざわりがツルツルしているもの、ザラザラしているもの。厚い紙と薄い紙、硬い紙と柔らかい紙、真っ白な紙とクリーム色の紙など。質感や色合いで印象は大きく変わります。

編集者は作品の内容やジャンルに合わせて紙を選び、本の魅力を最大限に引き出そうとします。紙の印象は読み心地にも直結するため、とても重要な要素です。

自費出版の出版社の多くは、書店でよく見る標準的な紙をあらかじめ用意しています。とはいえ、必ずしも著者のイメージと一致するとは限りません。このギャップを避けるためには、事前に紙を確認することです。

出版社に頼めば、実際のサイズ・紙質・ページ数で作られた「束見本(つかみほん)」を有料で用意してもらえる場合があります。

束見本を確認してから紙を決めれば、紙質のミスマッチによる後悔を大幅に減らせるでしょう。

注意度 注意

スタッフとウマが合わない

原稿を書いてくれるライターさんと性格が合わなくて、話をしてもまったく盛り上がらないんです

担当者に正直に話してみましょう

自分が話したことをライターが原稿にまとめる「口述筆記」は、ビジネス書の制作でもよく使われる方法です。

自費出版でも、文章を書くのが苦手だったり、パソコン操作が大変だったりする人は、この口述筆記で気軽に本を出すことができます。

ライターの役目は、あなたの話を丁寧に聞き取り、原稿にまとめること。ただし、会話が弾まなかったり、仕上がった原稿のテイストが好みに合わなかったりと、どうしても相性が合わない場合があるかもしれません。

その際は、出版社の担当者に率直に相談してみましょう。出版社は複数のライターとつながりがあるので、可能な範囲であなたの希望に沿ったライターを手配してくれることもあります。

注意度 注意

対面での打ち合わせを断られる

対面で打ち合わせしたいのに、電話かオンラインばかり。冷遇されてる?

打ち合わせは著者と出版社双方に負担の少ない方法で

著者は打ち合わせは対面でじっくり話したいけど、出版社はオンラインで手短に済ませたい。

このような打ち合わせの回数や方法についての認識の違いが、思わぬトラブルにつながることもあり得ます。

食い違いを防ぐには、打ち合わせの方法や回数を契約前に取り決めておくことが大切です。

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